猫の去勢・避妊手術

現在は猫を部屋の中で飼育し外には出さないのが一般的です。目的としては雌の発情によるマーキングや鳴き声などの行動の予防です。去勢手術も同様に問題行動を予防するために行います。例外として、外出してしまうネコちゃんは子供を作って帰ってくることがあるので避妊・去勢手術が必要です。

ネコちゃんの去勢手術

去勢手術とは

去勢手術とは

雄の猫ちゃんへ行う去勢手術は、肛門近くにある精巣(睾丸)を摘出すれば終了となります。ネコちゃんもまた停留睾丸があります。開腹が必要となります。手術時間は30分から1時間程度で日帰りとなります。

 

去勢手術を受ける時期

雌の猫ちゃんと違い、雄のネコちゃんには発情期はありませんが、一般的に12ヶ月過ぎると生殖能力が完成するといわれています。そのため、去勢手術はその前の時期、生後6か月ごろに受けるのが望ましいです。若い時期に手術することで麻酔にともなうリスクも低くなります。

去勢手術は全身麻酔下で行います。ネコちゃんが健康な状態で手術をすることが大事ですが、絶食をすることで肝臓の値が高くなる場合があります。状況に合わせて手術をするか検討させていただいています。東大阪市にある地域密着型の動物病院、シモダ動物病院へお気軽にご連絡ください。

去勢手術のメリット・デメリット

去勢手術のメリット
望まない繁殖が防げます

外出する場合は手術で子猫が増えることを防げます。きちんと去勢手術を受けさせてあげるようにしましょう。

太りやすくなるとされています

去勢手術を受けた後はホルモンバランスが変化するため、ごはんの量が多くなるのに基礎代謝が低下するなどして、肥満になりやすくなるとされています。

問題行動の抑制に繋がります

去勢手術を受けることで、未去勢のネコちゃんによくみられる、マーキング(尿などの臭いをつけることで、縄張りを示す行為)の問題行動がでません。また、性格も穏やかになることが多いため、他のネコちゃんと喧嘩して怪我をしたり、脱走したりすることも少なくなるとされています。

病気

★ホルモンが原因の病気が抑えられます
原因は判っていませんが、男性ホルモンが多いとスタッドテイル症になるかもしれません。スタッドテイル症とは、しっぽの付け根にある尾腺で炎症が起こり、体全体が油の分泌物が過剰に出るようになった状態です。命にかかわる病気ではありませんが、悪臭がしたり、ネコちゃんの被毛がべたついたりするため、快適なペットライフを送るのに支障をきたすようになることがあります。また、細菌感染しやすくなり、細菌性毛包炎や痒症などを引き起こす場合もあります。しかし、この病気にかかってから手術をしてよくなった経験はありません。

★繁殖行動にともなう感染症リスクが抑えられます
家と外を自由に行き来しているネコちゃんの場合、去勢手術を受けていないと繁殖行為をして「猫エイズ(猫免疫不全ウイルス感染症)」や「猫白血病」などの感染症にかかるリスクが高いといえます。

猫エイズ(猫免疫不全ウイルス感染症)
ネコちゃんの3大感染症の1つで、猫免疫不全ウイルス(FIV)によって起こる感染症です。ウイルスに感染しても、症状が現れず元気なまま一生を過ごすネコちゃんもいます。いまだ治療方法は確立されていない病気です。下痢や風の症状が治らず、後天性免疫不全症候群を発症する数ヶ月で命を落とします。

猫白血病
猫白血病とは、猫白血病ウイルスに感染することで発症します。初期には発熱や鼻炎などの症状が起こり、進行すると免疫不全、リンパ腫、白血病、貧血などの症状が現れ、数年程度で命を落とす場合があります。

猫白血病は、ワクチン接種を受けることで予防可能となります。なお、多頭飼いをしていて、1匹のネコちゃんが感染していると、他のネコちゃんも感染している可能性が高いので、きちんと検査を受けるようにしましょう。

去勢手術のデメリット
子供が作れなくなります

去勢手術では精巣(睾丸)を摘出しますので、手術後、子供を作りたいと思ってもできなくなります。

去勢手術の流れ

1術前診察

まずは当院へネコちゃんを連れて来てもらって、ネコちゃんの健康状態や年齢などを確認するほか、血液検査などの術前検査を実施して、手術が安全に行えるかどうか確認します。

また、飼い主様へは手術の内容や、前日の夜・当日の朝のごはんについての注意点など、詳しくご説明させていただきます。

2手術前日

手術前日の夜ごはんは、いつも通りあげてもらって大丈夫です、お水も問題ありません。ただし、夜9~10時ごろまでにごはんを済ませるようにしてください。

3手術当日

手術当日の朝は、ごはんをあげずに絶食でお願いします。お水は、少量であればあげてもかまいません。

4ご来院

お伝えした時間に、当院へネコちゃんを連れてきてください。通常、去勢手術はお昼から行います。

5手術

去勢手術は、全身麻酔下で行います。ネコちゃんの状態の最終チェックを行った後、麻酔を実施します。注射で麻酔薬を投与し、ネコちゃんが眠ったら、気管チューブを設置して吸入麻酔を行います。手術中のネコちゃんの状態は、生体モニター装置で心拍数、呼吸数、血圧、酸素濃度などを測定して常に監視します。

毛刈りと消毒を行った後、肛門近くにある卵巣(睾丸)を摘出します。通常、手術時間は1時間程度で日帰りとなります。

6手術終了

手術が終わり、ネコちゃんの状態に異常がなければ、飼い主様にお返しします。ほとんどの場合、夕方ごろにお返しします。なお、飼い主様がご希望になる場合には、手術前日・後日に1泊入院していただくこともできます。ご希望の方はお気軽にお申し出ください。

去勢手術後の注意

去勢手術後、太りやすくなることが多いため、低カロリーのフードに切り替えて肥満を予防するようにしましょう。どんなフードをあげればいいかわからない方は、お気軽に当院までご相談ください。

去勢手術の費用の目安

13,000円~

※ネコちゃんの年齢・病気の有無などによって、費用は変動します。
※上記の料金には、診察料、血液検査料、全身麻酔料、手術技術料、手術室使用料、手術器具滅菌料、器具料(針・縫合糸・マスクなど)、入院料(基本は日帰りとなります)などが含まれています。
※飼い主様がご希望になる場合には、手術前日・後日に1泊入院していただくこともできます。ご希望の方はお気軽にお申し出ください。

ネコちゃんの避妊手術

避妊手術とは

避妊手術とは

雌のネコちゃんに行う避妊手術は、全身麻酔下で開腹手術にて行います。手術の種類には、卵巣だけを摘出する「卵巣摘出術」と、卵巣と子宮を摘出する「子宮卵巣全摘出術」があります。ネコちゃんの状態や年齢などによっても異なりますが、当院では基本的に子宮卵巣全摘出術を行います。

 

「不安」を「安心」に変える手術を目指します

病気の手術と比べて、避妊手術はリスクが低いとされています。ですが、麻酔(全身麻酔)を使用しますので、この点には十分注意しなければいけません。東大阪市にある地域のかかりつけの動物病院、シモダ動物病院では、病気の手術を行う時と同様に慎重に麻酔を使用しています。手術に対する不安は、飼い主様であれば当然のことです。その「不安」を「安心」に変えられる手術を行うことこそが、私たちの大切な使命だと考えています。

避妊手術を受けるタイミング

雌のネコちゃんに避妊手術を受けさせてあげる時期は、生後6か月ごろが目安となります。個体差はありますが、雌のネコちゃんは12ヶ月ごろに初回の発情期を迎えます。この初回発情が起こる前に手術を受けるのが、一般的には適切だとされています。

ネコちゃんが傷口を舐めないように注意しましょう
去勢手術と比べると術創も大きくなりますが、ネコちゃんが術創を舐めると、傷口が開く恐れがありますので、傷口を舐めないように注意するようにしましょう。術創を舐めるのを防止するために、手術後はエリザベスカラー(首まわりに巻く円錐台形状の保護具)を装着させます。

避妊手術のメリット・デメリット

避妊手術のメリット
望まない妊娠が予防できる

お外に散歩に出かけるネコちゃんは、妊娠する可能性があります。ネコちゃんは1回の出産で5匹前後の子猫を出産します。これらの子猫の引き取り先が見つからないと、不幸な結果になってしまうケースもあります。こうした悲しい事態を避けるためにも、避妊手術は必要なものなのです。

子宮蓄膿症が予防できる

子宮蓄膿症とは、子宮内に膿が溜まることで、多飲、多尿、元気消失、食欲低下、下痢、嘔吐など、様々な症状が現れる病気です。膿の毒素が全身に回ると、命を落とす危険もあります。子宮蓄膿症は子宮内膜炎が原因で起こり、子宮内膜炎はホルモンが内膜に蓄積して肥厚します。そこに細菌が感染して起こります。子宮蓄膿症の予防に避妊手術が効果的です。

発情期の問題行動が抑制できる

雌のネコちゃんは発情期になると、独特の大きな鳴き声をあげたりするなどの問題行動を起こす場合がありますが、それらが抑制可能となります。また、発情出血の防止や、発情にともなうストレスの軽減なども可能となります。

避妊手術のデメリット
妊娠できなくなります

避妊手術では卵巣・子宮を摘出しますので、手術後は子猫を妊娠することができなくなります。

太りやすくなるとされています

避妊手術を受けると発情期がなくなり、エネルギーの消費量が低下するため、ほとんどの猫ちゃんが太ります。避妊手術を受けたネコちゃんみんなが太りやすくなるわけではありませんが、注意しておくに越したことはありません。手術後は、食事の内容を見直すようにしましょう。

避妊手術の流れ

1術前診察

まずは当院へネコちゃんを連れて来てもらって、ネコちゃんの健康状態、年齢などを確認するほか、血液検査などの術前検査を実施して、手術が安全に行えるかどうか確認します。

また、飼い主様へは手術の内容や、前日の夜・当日の朝のごはんについての注意点など、詳しくご説明させていただきます。

2手術前日

手術前日の夜ごはんは、いつも通りあげてもらって大丈夫です、お水も問題ありません。ただし、夜8時ごろまでにごはんを済ませるようにしてください。

3手術当日

手術当日の朝は、ごはんをあげずに絶食でお願いします。お水も上げないでください。

4ご来院

午前9-11時の間に、当院へネコちゃんを連れてきてください。通常、避妊手術はお昼から行います。

5手術

避妊手術は、全身麻酔下で行います。ネコちゃんの状態の最終チェックを行った後、麻酔を実施します。注射で麻酔薬を投与し、ネコちゃんが眠ったら、気管チューブを設置して吸入麻酔を行います。手術中は、生体モニター装置で心拍数、呼吸数、血圧、酸素濃度などを測定して常に監視します。

毛刈りと消毒を行った後、開腹して卵巣と子宮の両方を摘出します。通常、手術時間は1~2時間程度で日帰りとなります。

6手術終了

手術が終わり、ネコちゃんの状態に異常がなければ、飼い主様にお返しします。ほとんどの場合、夕方ごろにお返しします。なお、飼い主様がご希望になる場合には、手術前日・後日に1泊入院していただくこともできます。ご希望の方はお気軽にお申し出ください。

7抜糸

避妊手術は開腹して行いますので、手術後1週間から10日後に抜糸が必要になります。

避妊手術後の注意

安静にさせて、傷口を舐めていないか注意しましょう

避妊手術を受けた後は、激しい運動などは避けてください。また、傷口が開いてしまう恐れがありますので、ネコちゃんが術創を舐めていないか注意してみてあげるようにしてください。傷口を舐めないように、ご帰宅時、エリザベスカラー(首まわりに巻く円錐台形状の保護具)を装着させますので、しばらく外さないようにしてください。

太らないように注意しましょう

避妊手術を受けた後、ネコちゃんによっては太りやすくなる場合があり、手術前と同じ量のフードを与えていると肥満になることがあります。なので、ネコちゃんの体型などに注意して、低脂肪のカリカリをあげるなど、きちんと食事内容を管理してあげるようにしましょう。

避妊手術の費用の目安

20,000円~

※ネコちゃんの年齢・病気の有無などによって、費用は変動します。
※上記の料金には、診察料、血液検査料、全身麻酔料、手術技術料、点滴料、手術室使用料、手術器具滅菌料、器具料(針・縫合糸・マスクなど)、入院料(基本は日帰りとなります)などが含まれています。
※飼い主様がご希望になる場合には、手術前日・後日に1泊入院していただくこともできます。ご希望の方はお気軽にお申し出ください

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